州・洲(読み)しゅう

精選版 日本国語大辞典 「州・洲」の意味・読み・例文・類語

しゅう シウ【州・洲】

[1] 〘名〙
土砂堆積などによって形成された陸地、州(す)、島をいう。〔爾雅‐釈水〕
② 人の集まり住む土地。国。
③ 地域区画の一つ。
(イ) 中国、周代、全土を九州に区画し、漢代には一三州となる。その後、数が増加し、隋の時、二四一に達したため一時廃止。唐に至り復活したが、中華民国以後、用いられていない。
今昔(1120頃か)七「震旦の洲に一の山寺有り」 〔周礼‐夏官・職方氏〕
(ロ) 日本で古くから用いた地域区分の一つ。一地域単位としての国。
※菅家文草(900頃)三・行春詞「到州半秋清兼慎、恨有青々汚染蠅
(ハ) もと台湾に置かれた上級の地方自治体。州知事が事務を統轄し、州の下には郡、市、街、庄が置かれた。
※台湾総督府地方官官制(大正九年)(1920)一条「台湾に左の州及庁を置く」
(ニ) 地球上の大陸を分けていうのに用いる。また、単に広大な大陸にも用いる場合がある。
※輿地誌略(1826)一「欧邏巴洲総説〈略〉此洲は亜細亜と相接たる外は、皆海に瀕して限とす」
(ホ) アメリカ合衆国・スイス・オーストラリアなど、連邦国家を構成する行政区画の一つ。この区画の連合体として国家が構成される。
※外国事情書(1839)「此国俄に強大に相成、元来十三州の処、唯今二十四州と罷成
[2] 〘接尾〙 近世人名などに添えて親愛の意をこめていうのに用いる。人名の場合、源太を源州、また、職業境遇などを表わす場合、番頭を番州、風呂屋女呂州などと用いる。
浮世草子傾城禁短気(1711)二「何野州(ヤシウ)には手管なしとや」

す【州・洲】

〘名〙 河口付近や湖などの比較的浅い場所に堆積した土や砂が水面低下に伴って水面上に現われてできた平地
万葉(8C後)七・一一七六「夏麻引く海上潟の沖つ洲(す)に鳥はすだけど君は音もせず」
※更級日記(1059頃)「浪高くて入江のいたづらなるすどもにこと物もなく」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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