左巻・左捲(読み)ひだりまき

精選版 日本国語大辞典 「左巻・左捲」の意味・読み・例文・類語

ひだり‐まき【左巻・左捲】

〘名〙
① 渦(うず)・蔓(つる)螺子(ねじ)などが左の方へ巻いていること。時計の針と反対のまわりかたで巻いていること。また、その模様など。
平家(13C前)九「しげ藤の弓のとりうちを、紙をひろさ一寸ばかりにきって、左まきにぞまいたりける」
② 特に、犬の尾が左側の方に巻いていること。強く、毛なみのよい犬とされた。転じて、威勢のよい人などのたとえにいう。左曲り。
※滑稽本・腹佳話鸚鵡八芸(1809)戌「一体次郎殿の斑(ぶち)やア左巻(ヒダリマキ)を鼻に掛けやアがって、不粋(きざ)の野郎さ」
③ (つむじが左に巻いている人は頭が悪いという俗説から) 頭の働きが鈍いこと。また、その人。とんま。まぬけ。
縮図(1941)〈徳田秋声〉日蔭に居りて「頭がひどい左巻であったりした」
④ 植物「ねじばな(捩花)」の異名。〔日本植物名彙(1884)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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