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差す・射す・点す・止す さす

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大辞林 第三版の解説

さす【差す・射す・点す・止す】

( 動五[四] )
〔「刺す」 「指す」 「挿す」などと同源〕
(「射す」とも書く)光が入り込む。日光が当たる。 「窓から日が-・す」 「雲の切れ間から薄日が-・す」 「後光が-・す」
相撲で、自分の腕を相手の腕と胴の間に入れてまわしをつかむ。 「立ち合い一気に左を-・す」
相手に酒をすすめる。 「杯を-・す」
(「点す」とも書く)ある部分に色をつける。 「 頰に紅べにを-・す」 「口紅を-・す」
(「点す」とも書く)漢文の文章に、句読点や訓点を書き入れる。加点する。 「声点しようてんを-・す」
手を、上または前のほうに出す。
頭をおおうように傘を持つ。かざす。 「日傘を-・す」
舞で、手を前に伸ばす。 「 - ・す手引く手」
両手で物を高く上にあげる。さしあげる。 「イシヲ-・ス/ヘボン」
潮が満ちてくる。 「潮が-・してくる」
色が現れる。 「 頰に赤味が-・してきた」 「血の気が-・してくる」
(「熱がさす」などの形で)熱が出る。 「くだりも留とまりませず、大ねつが-・しまして/浮世草子・織留 4
ある気持ちが生じる。 「嫌気が-・す」 「眠気が-・す」
姿がちらりと見える。 「木立ちの間に人影が-・す」
(「気がさす」の形で)うしろめたい気持ちになる。気がとがめる。 「居留守を使うのは気が-・す」
(「魔がさす」の形で)心に魔物がはいり込んだかのように、一瞬、悪い考えを起こす。 「あんなことをするとは魔が-・したとしか言いようがない」
物差しで寸法を測る。 「丈を-・して見ると八尺足りなかつたり/西洋道中膝栗毛 魯文
机・簞笥たんす・箱などを作る。 「松の木の箱を-・して/浮世草子・武道伝来記 1
(「止す」とも書く)動詞の連用形に付いて用いる。
動作を中途でやめる意を表す。…しかける。…し残す。 「おのおの親ありければ、つつみていひ-・してやみにけり/伊勢 86
動作が中途でやんだままの状態であることを表す。…しかかる。 「しばし入り-・して/源氏 宿木」 〔現代でも、「用もなき文など長く書き-・してふと人こひし街に出てゆく/一握の砂 啄木」などのように、時に用いることがある。→さし(止)
印を押す。 「私に太政官の印おしでを-・して事を行ふ/水鏡 廃帝
さしつかえる。さしさわる。 「いや、事介は少お寺に-・す事有る/浄瑠璃・薩摩歌」
物を組み立てる。また、張りめぐらす。 「ほととぎす鳴くと人告ぐ網-・さましを/万葉集 3918
帯やひもをしめる。むすぶ。 「(名高イ御帯ヲ)しひて-・させ奉り給ふ/源氏 紅葉賀
草木の葉や枝が伸び出す。茂って物をおおうようになる。 「西の方に-・せりける枝のもみぢ始めたりけるを/古今 秋下詞
[可能] させる
[慣用] 気が- ・潮が- ・熱が- ・魔が-
[表記] さす(差・射・指・刺・挿・注
「差す」は“あるものが表面に現れる。あるものが生じる。かざす”の意。仮名で書くことも多い。「頰に赤みが差す」「潮が差してきた」「嫌気が差す」「魔が差す」「日傘を差す」  「射す」は“光があたる”の意。「差す」とも書くが、仮名で書くことも多い。「薄日が射す」「後光が射す」  「指す」は“ゆびさす。指名する。目指す”の意。仮名で書くことも多い。「時計の針が正午を指す」「後ろ指を指される」「授業中に指される」「北を指して進む」「将棋を指す」  「刺す」は“突き入れる。刃物で突く。刺激を与える”の意。「指にとげを刺す」「暴漢に刺される」「とどめを刺す」「異様な臭いが鼻を刺す」「肌を刺す寒さ」  「挿す」は“他の物の間に入れる”の意。「髪に花を挿す」「大刀を腰に挿す」「花を花瓶に挿す」  「注す」は“液体を注ぎ入れる”の意。「点す」とも書く。「自転車に油を注す」「目薬を注す」「話に水を注す」

出典|三省堂
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