差伸・差延(読み)さしのべる

精選版 日本国語大辞典 「差伸・差延」の意味・読み・例文・類語

さし‐の・べる【差伸・差延】

〘他バ下一〙 さしの・ぶ 〘他バ下二〙 (「さし」は接頭語)
手足などをのばす。長くする。また、手をさし出す。
今昔(1120頃か)二六「此男は足を指延(さしのべ)たる胯(もも)の中に、此隠して持たる刀を、然気(さるけ)(なく)て夾みて持たりけり」
② (「…に手をさしのべる」の形で用いて) 援助する。力を貸す。
※光と風と夢(1942)〈中島敦〉七「トマス・スティヴンスン氏は、〈略〉救いの手を差しのべた」
③ 延期する。後回しにする。
※羅葡日辞書(1595)「Amplio〈略〉 クジ サタ ナドヲ saxinoburu(サシノブル)

さし‐の・ぶ【差伸・差延】

[1] 〘自バ上二〙 (「さし」は接頭語) のびる。また、のびのびとする。ゆったりとする。
※後鳥羽院御口伝(1212‐27頃)「詠み持ちたる歌どもの中にも、さしのびたる物どもありき」
ささめごと(1463‐64頃)上「五尺あやめに水をかけたるごとくにといふ、ぬれぬれとさしのひたる也」
[2] 〘他バ下二〙 ⇒さしのべる(差伸)

さし‐のば・す【差伸・差延】

〘他サ五(四)〙 (「さし」は接頭語) 手足などをのばす。思いきり長くする。
狂歌・銀葉夷歌集(1679)一「年玉をこれとて出すありさまよきってう腕さしのはしつつ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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