差掛・指掛(読み)さしかけ

精選版 日本国語大辞典 「差掛・指掛」の意味・読み・例文・類語

さし‐かけ【差掛・指掛】

〘名〙
① 陰になるように上におおいかけること。また、そのもの。
※俳諧・毛吹草(1638)五「軒口に枝やさしかけ家桜〈安明〉」
母屋(おもや)にかけた庇(ひさし)を長くさし出し、その下を利用できるようにした小屋。下屋(げや)。差掛小屋。
史記抄(1477)一一「本に家にも不居して廬と云て別にさしかけをして居るぞ」
③ 中古、四位以下の官人がはいた、黒漆塗りの革の浅沓(あさぐつ)。鼻切(はなきれ)
蜻蛉(974頃)中「のらんとする舟の、さしかけのかたへばかりにみくだされたるぞ」
④ (指掛) 将棋で、その場で勝負をつけず、後日指し継ぐことにして休止する制度。現在は、専門棋士の対局で二日制のタイトル戦に用いられる。
浄瑠璃・山崎与次兵衛寿の門松(1718)中「昨日のさしかけの将棋勝負付けましょ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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