巾(漢字)

普及版 字通 「巾(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

[字音] キン
[字訓] ひざかけ・きれ・てふき

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
佩巾の形。腰に帯びる巾で、(ふつ)・佩・帶(帯)の字形のうちに含まれている。儀礼の際に用いる膝(へいしつ)(ひざかけ)の類。金文賜与に、〔壺(こつこ)〕「赤(せきふつ)幽(衡、玉器)」、〔師兌(しえつき)〕「女(なんぢ)に乃(なんぢ)のの巾((ふつ))~を賜ふ」のように巾をの意に用いており、巾がもと膝)を意味する字であった。には、のち・黻(ふつ)の字を用い、巾は布巾・衣巾の字として区別されるようになった。〔説文〕七下に「佩巾なり」とあり、その佩巾を以てものを拭うことを(さつ)という。〔玉〕に「本(もと)以て物を拭ふ。後人之れを頭に(つ)く」とあり、頭巾をいう。もと礼装に用いた膝の類が、時代とともに変化して、のちには布帛をいう字となった。

[訓義]
1. ひざかけ。
2. えりかけ。
3. てふき、ふきん
4. ずきん。
5. たび。
6. きれ、ぬの、おりもの。
7. おおう、つつむ。
8. 国語で、幅の略字として用いる。はば。

[古辞書の訓]
名義抄〕巾 ノゴフ・ノリモノ/手巾 タノゴヒ/巾箱 タノゴヒノハコ、一に云ふ、ウチミダリノハコ/領巾 ヒレ 〔立〕巾 ハラコ・ノル・タナコヒ・カカホル・カフル・タホフ 〔字鏡集〕巾 タナコヒ・ノコフ・カザル・カウフリ・トラフ・ノリモノ・コシ

[部首]
〔説文〕に帶・常・席・帖など六十一字、〔新附〕九字を属し、〔玉〕に百七十一字を属する。六朝には服飾が多様化して、造字の必要があったのであろう。部中に帚を収めるが、帚は箒を立てた形で、巾に従う字ではない。なお・帛・(へい)はそれぞれ部首の字である。

[熟語]
巾衣巾裹巾駕・巾・巾角・巾客巾幗・巾額巾褐・巾冠・巾巻巾盥・巾環・巾巾篋・巾巾笏・巾巾衫・巾子巾笥・巾・巾・巾車・巾袖・巾・巾飾・巾・巾箱・巾・巾・巾舞・巾服・巾払・巾・巾巾履・巾涙
[下接語]
衣巾・烏巾・角巾・巾・冠巾・岸巾・巾・巾・巾・香巾・絳巾・縞巾・紗巾巾・雑巾・手巾・頭巾・茶巾・佩巾・白巾・帛巾・披巾・布巾・舞巾・風巾・服巾・幅巾・濫巾・領巾・綸巾・鹿巾

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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