市川代治郎(読み)いちかわ・だいじろう

朝日日本歴史人物事典 「市川代治郎」の解説

市川代治郎

没年:明治29.4.25(1896)
生年:文政8.8.5(1825.9.17)
幕末明治期の大工信州(長野県)佐久下中込村石神の名主,市川八郎右衛門の次男。幼名は林蔵。小林杢之助に弟子入りして大工になる。江戸築地の西本願寺工事などにもかかわる。自筆の履歴によればケルモロに雇われ明治2(1869)年から6年にアメリカへ渡り修業したという。設計・施工した代表的建物に成知(中込)学校がある。その後名古屋で石鹸工場を興し,さらに和歌山県でみかん酒の醸造や花崗岩石材の工業に従事したと伝えられる。変化する時代に体当たりで夢をかけた職人。<参考文献>文化財建造物保存技術協会編『重要文化財 旧中込学校々舎修理工事報告書』

(初田亨)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「市川代治郎」の解説

市川代治郎 いちかわ-だいじろう

1825-1896 明治時代の建築家。
文政8年8月5日生まれ。信濃(しなの)下中込(しもなかごみ)村(長野県佐久(さく)市)の大工。江戸築地(つきじ)本願寺建築の総棟梁小林源蔵のもとで脇棟梁をつとめ,急死した源蔵にかわって工事を完成させる。明治2-6年アメリカで建築学を修得郷里の成知(せいち)学校(旧中込学校,重要文化財)を設計し,8年完工した。明治29年4月25日死去。72歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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