帥記(読み)ソチキ

デジタル大辞泉 「帥記」の意味・読み・例文・類語

そちき【帥記】

源経信日記。治暦元年(1065)から寛治2年(1088)までの写本が伝わるが、欠落もある。名称は、経信の官名である大宰権帥だざいのごんのそちにちなむ。都記とき経信卿記。そっき。

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改訂新版 世界大百科事典 「帥記」の意味・わかりやすい解説

帥記 (そちき)

大納言兼大宰権帥源経信の日記。記名は〈大宰権帥〉にもとづくが,〈帥〉の唐名〈都督〉によって《都記》ともいい,また《経信卿記》と称する。記事は1065年(治暦1)より88年(寛治2)までを存するが,中間の欠逸が多い。左大臣源俊房の《水左記》と時代的に並行し,両者の記事を比較検討して得るところが多い。藤原宗忠の日記《中右記》によれば,経信は和漢の学を兼ね,詩歌の道に長じ,また管絃の芸,法令のことを極めた優れた人材であったと評されている。《増補史料大成》所収。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「帥記」の意味・わかりやすい解説

帥記
そちき

『経信卿記』『都記』などともいう。平安時代,大宰権帥源経信の日記。現在,康平8 (1065) ~寛治2 (88) 年の記事が伝存しているが,途中欠脱が多い。院政初期の重要史料。なかでも宋商の来航,高麗王文宗が病気にかかり日本に医師派遣を要請してきたことに対する朝議についての記述は注目される。

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