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帯下(こしけ/おりもの) たいげこしけおりもの

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家庭医学館の解説

たいげこしけおりもの【帯下(こしけ/おりもの)】

◎いくつかの分類がある
 外陰(がいいん)、腟(ちつ)、子宮頸管(しきゅうけいかん)、子宮腔(しきゅうくう)からの分泌物(ぶんぴつぶつ)の量が、生理的あるいは病的に増加したものが帯下で、俗にこしけまたはおりものと呼ばれています。
 帯下は、その症状から、つぎのように分類されます。
●症状による分類
■血性(けっせい)帯下
 不正性器出血としてみられるもので、子宮・卵管(らんかん)の炎症、または子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)(「子宮筋腫」)など、腫瘍(しゅよう)性疾患の可能性がないかどうかの診断・鑑別が必要なことがあります。
■膿性(のうせい)帯下
 黄色、緑黄色などを呈し、クリーム状で悪臭をともなうこともあります。腟炎(ちつえん)や腟内異物による二次感染、腫瘍性疾患などが疑われます。
■白色(はくしょく)帯下
 生理的帯下で心配のないものですが、腟炎などの場合にもみられることがあります。
■液状(えきじょう)帯下
 漿液性(しょうえきせい)、水様性、牛乳様など液状である場合をいい、各種炎症、腫瘍性疾患などでみられます。
●原因による分類
 帯下には、心配のない生理的帯下と、さまざまな病気の一症状としておこってくる病的帯下とがあります。
■生理的帯下
 健康で成熟した女性の腟内容物は、白色で、多少ねばりけをともなうことはありますが、濁っていることはなく、外陰部にかゆみや痛みをともなうこともありません。外陰部や腟前庭部(ちつぜんていぶ)には粘液腺(ねんえきせん)(バルトリン腺、スキーン腺)、汗腺(かんせん)、皮脂腺(ひしせん)などがあり、分泌液が産生されます。また、月経周期の排卵期(月経と月経の間、28日周期の人で14日目くらい)には、卵巣(らんそう)から分泌される女性ホルモンエストロゲンの影響を受けて、子宮頸管から分泌される頸管粘液の量が増え、帯下として感じることがあります。
 この分泌物の増加から、逆に自分で排卵期がわかる人もなかにはいます。
 妊娠中も、頸管粘膜や腟粘膜から分泌される粘液が増えることがあります。
 そのほか、性的興奮状態になると、腟粘膜からの分泌液が増えて、大量の帯下となることがあります。これらは生理的帯下で、心配はありません。
■病的帯下
 一方、帯下に黄色や緑黄色などの色がついていたり、悪臭がしたり、量が多かったりする場合や、腹部や外陰部などにかゆみや痛みをともなう場合には、なんらかの病気の一症状であることがあります。産婦人科で診察を受けたり、検査をしてもらうことが必要です。
 病的な帯下をひきおこす原因としては、性器の病原微生物による感染(感染性帯下)、ホルモン分泌の低下や悪化(ホルモン失調性帯下)、腫瘍(がん性帯下など)などが考えられます。このなかでもっとも頻度が高いのは感染性帯下ですが、まれに、がん性帯下のような重篤(じゅうとく)な病気のこともあります。
 また、原因の存在する部位によって、腟帯下、子宮頸管帯下、子宮帯下、外陰(腟前庭)帯下などと呼ばれます。
 腟帯下 腟帯下の原因のほとんどは、腟内に病原微生物が感染しておこる腟炎です。これには、腟カンジダ症(「腟カンジダ症(カンジダ腟炎)」帯下は白色で酒粕(さけかす)状やヨーグルト状を示し、ときとして帯下が米粒大の小片を形成することがある)、腟トリコモナス症(「腟トリコモナス症(トリコモナス腟炎)」帯下は黄色で、ときに膿(うみ)をもったり泡沫(ほうまつ)状を示すことがある)、老人性腟炎(「老人性腟炎(萎縮性腟炎)」)、非特異性腟炎(「非特異性腟炎」)などがあります。
 感染した病原微生物の種類によって、その帯下の性状や症状、さらに治療に用いる薬剤も異なります。また、タンポンコンドームペッサリーなどの異物を、長期間腟内に挿入したまま放置しておくと、細菌の二次的感染をおこし、悪臭をともなう帯下をみることがあります。
 腟炎の発症しやすい誘因として、以下のものがあげられます。
①卵巣機能の低下しているとき(幼女、老人、産褥(さんじょく)など)や妊娠中。
②感染力の強い菌の侵入。
③物理的・化学的刺激(腟内タンポンの留置、ペッサリー、放射線の腟腔内照射、刺激性の強い薬物の使用など)。
④手術・分娩(ぶんべん)により、腟壁の損傷(そんしょう)や会陰裂傷(えいんれっしょう)をおこした状態。
⑤腟より上部の内性器に炎症があり、その影響で持続的におりてくる膿によって感染を受けている場合など。
 子宮頸管帯下 病的な子宮頸管帯下の原因のほとんどが感染(子宮頸管炎(「子宮頸管炎」))です。そのほか子宮腟部びらんなどによっても、膿性や血性、あるいは粘液性の帯下を認めることがあります。クラミジア頸管炎では、水様性帯下が増えることがあります。
 子宮帯下 子宮の感染や腫瘍などによって、膿性帯下や血性帯下を認めることがあります。感染症では、子宮内への細菌感染である子宮内膜炎(「子宮内膜炎」)や、子宮につながる卵管などが感染する子宮付属器炎(「子宮付属器炎(卵管炎/卵巣炎)」)などが原因となります。子宮腔内に膿がたまってしまった状態を子宮留膿腫(しきゅうりゅうのうしゅ)(「子宮内膜炎」のどんな病気か)といい、大量の帯下が出ることがあります。
 腫瘍では、子宮筋腫(「子宮筋腫」)や子宮内膜ポリープなどで、血性帯下がみられることがあります。
 また、子宮がんなどによるがん性帯下の場合には、子宮内の組織が破壊されて帯下になる一方で、二次的細菌感染がおこり、悪臭をともなった膿性帯下や血性帯下になるのが特徴です。
 外陰(腟前庭)帯下 外陰部の炎症(外陰炎(「外陰炎」))や、外陰部潰瘍(かいよう)、外陰部腫瘍などで分泌物が増えることがあります。
●帯下の自覚症状
 帯下に対する感受性には、個人によってかなり差があります。とくに帯下の量が多くなくても、強く帯下感を訴える人もいれば、逆に帯下が多いにもかかわらず自覚しない人もあります。なにかのおりに産婦人科を受診し、医師から指摘されて初めて気づくという人もいます。帯下を自覚するかどうかは、精神的な要素もかなり関係するようで、神経質な人や、たとえば以前に病的な帯下を経験したことのある人などは、帯下を感じやすいようです。
 帯下は、その原因によって治療法や対処の方法が変わってくるのはもちろんのこと、なかには重篤な病気の一症状のこともまれにあるので、原因を確かめて対処する必要があります。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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