幅・巾(読み)はば

精選版 日本国語大辞典 「幅・巾」の意味・読み・例文・類語

はば【幅・巾】

〘名〙
① 物の横の端から端までの距離。横のさしわたし。幅員(ふくいん)。よこはば。
日葡辞書(1603‐04)「モメンノ fabaga(ハバガ) ヒロイ、または、セバイ」
② (形動) 世間に、他のものより大きな割合で自分の位置を占めること。威勢のあること。また、そのさま。はぶり。
※甲陽軍鑑(17C初)品一二「武道はしらねども、時のはばに任、無案内なる男道の穿鑿(せんさく)、中々おかし」
※大津順吉(1912)〈志賀直哉〉二「その事が私共の自惚をいふのに幅のない声きり出させなかったのである」
③ 他に誇ること。自慢。
※洒落本・水月ものはなし(1758)下「元来(もと)此華(はな)と云ものは、客のはばにばかりやる物にてはなし。女郎のはばに、客のやる事ぞかし」
④ 他にはばからないこと。おおっぴらであること。公然。
※富本・文月笹一夜(笹の一夜)(1766)「けふよりはほんの夫婦と新枕、はばでねねするうれしさを」
⑤ ある広がり。制限された中で、自由にできる余地。ゆとり。余裕。
※文法学者も戦争を呪詛し得ることについて(1948)〈渡辺一夫〉「学問の幅を増し」
⑥ 仕入値段と売り値との差額。また、取引相場で、高値安値との間に生じた差額。値幅

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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