平尾魯仙(読み)ひらお・ろせん

朝日日本歴史人物事典 「平尾魯仙」の解説

平尾魯仙

没年明治13.2.17(1880)
生年:文化5.3.3(1808.3.29)
幕末明治期の画家通称は初三郎,名は亮致,別号に宏斎,雄山,芦川(俳号)などがある。陸奥弘前(青森県)の魚商の家に生まれ,画を工藤五鳳,毛内雲林,今村渓寿に,俳諧を内海草坡に,国学平田銕胤に学ぶ。郷土風物に題材を得た絵画作品にすぐれたものが多い。極貧のため炭が買えず,手を冷水に浸して熱の発するを待ち,ようやく筆を持って練習に励んだという。尊皇思想家あるいは俳人としても知られる。寺子屋を経営し,多くの門人を育て,この地の文化に多大の影響を与えた。著書に『幽府新論』『鬼神論』,句集に『笠の蝶』などがある。弘前市新寺町の貞昌寺に葬られた。<参考文献>中村良之進『平尾魯仙翁』,『弘前市史 明治・大正・昭和編』

(河野元昭)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「平尾魯仙」の解説

平尾魯仙 ひらお-ろせん

1808-1880 江戸後期-明治時代の画家,国学者
文化5年3月3日生まれ。毛内雲林(もうない-うんりん)らにまなび,郷土の風物画をのこした。また平田銕胤(かねたね)門下となり,国学も研究。明治13年2月17日死去。73歳。陸奥(むつ)弘前(青森県)出身。名は亮致。通称は八三郎。別号に魯僊,芦川。著作に「幽府新論」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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