平岡 吟舟(読み)ヒラオカ ギンシュウ

20世紀日本人名事典 「平岡 吟舟」の解説

平岡 吟舟
ヒラオカ ギンシュウ

明治〜昭和期の実業家,邦楽作曲家 平岡鉄工場経営者;東明流初代家元。



生年
安政3年(1856年)

没年
昭和9(1934)年5月6日

出生地
江戸

本名
平岡 煕(ヒラオカ ヒロシ)

経歴
明治4年16歳で渡米、ボストン機関車製造所に勤め、技術・工程を学んで10年帰国。工部省技官となり、16年新橋鉄道局汽車課長に就任。日本に初めて野球とローラースケートをもたらし、11年新橋駅で野球チーム・新橋アスレチックス倶楽部を結成。32歳のとき車両製造工場・平岡鉄工場を設立、巨利を得た。米国から最新の野球用具やルールブックを輸入し、野球の発展に多大な影響を及ぼした。昭和34年には特別表彰として野球殿堂入り。一方、父は幕府目付役で宝生流謡曲をよくし、母は都以中の妹で邦楽に堪能という家に育ったので趣味は豊か、音曲、遊芸に通じ、散財したので“平岡大尽”といわれた。明治35年以来長唄、清元河東など諸派の粋を集め、自ら「向島八景」「大磯八景」「都鳥」などを作詞作曲、三味線の東明流(東明節)を創始した。また小唄「三つ車」「半染」「春霞」「逢ふて別れて」なども作った。先祖徳川家康のお庭番。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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