平野(大阪市)(読み)ひらの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「平野(大阪市)」の意味・わかりやすい解説

平野(大阪市)
ひらの

大阪市平野区の中心地区。大和(やまと)川の支流平野川流域にある。弘仁(こうにん)年間(810~824)に坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)の子広野麻呂が居住した地で、地名は広野の名が転化したものという。中世、交通の要衝で、末吉、坂上家などの豪商が集まり、濠(ほり)を巡らし、堺(さかい)と並ぶ自由都市として繁栄した。近世は、河内木綿(かわちもめん)の集散地として知られ、明治以降紡績業の発達をみた。現在、JR関西本線、地下鉄谷町(たにまち)線、国道25号が通じ、一帯公営公団のアパート群が林立する住宅地区をなす。古社寺に杭全神社(くまたじんじゃ)と大念仏寺(だいねんぶつじ)がある。なお、平野区は1974年(昭和49)東住吉区の東半を分割して設けられた。

[位野木壽一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android