幼・稚(読み)いとけない

精選版 日本国語大辞典の解説

いとけ‐な・い【幼・稚】

〘形口〙 いとけな・し 〘形ク〙 年が小さい。子どもらしくてあどけない。また、子どもっぽく考えが幼稚である。いときなし。おときなし。
※書紀(720)応神即位前(北野本訓)「筑紫の蚊田に生(あ)れませり。幼(イトケナク)まして聰達(さと)く」
※平家(13C前)五「主上は今年三歳、いまだいとけなう在(まし)ましければ」
[語誌](1)古い形は「いときなし」。「き」「け」の交替した例は多いが、この語は類義語「いはけなし」に引かれた可能性が高い。
(2)「源氏物語」では、幼少を表わす語として「いとけなし」を用いず、「をさなし」「いときなし」「いはけなし」「きびは」を用いているが、「いときなし」は本来二~三歳の乳幼児の様子をいい、「いはけなし」は十三、四歳までの、特に精神面の未熟さを言い、「きびは」は青年期のまだ体格に子供らしさが残っている様子をいう。これらに対して、「いとけなし」は広く、幼少の者に対する大人の憐み、いとおしみをいう語となった。
いとけな‐げ
〘形動〙
いとけな‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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