幾ばく(読み)いくそばく

精選版 日本国語大辞典 「幾ばく」の意味・読み・例文・類語

いくそ‐ばく【幾ばく】

〘副〙 (助詞「の」が付いて体言に続いたり、断定助動詞「なり」が付くこともある)
数量程度がどれほど多いか不明であることを表わす。どれほど。どのくらい多く。
古今(905‐914)物名・四六四「花ごとにあかず散らしし風なればいくそばく我が憂(う)しとかは思ふ〈よみ人しらず〉」
② 数量や程度がはなはだしいことを表わす。どれほど多く。どんなにか多く。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「漬け豆を一さやあてに出すとも、十まり五つなり。種なくしてはいくそばくなり」
[語誌]「ばく」は「ここばく」「そこばく」などの「ばく」で、数量の多さを表わす。「万葉集」では「いくばく」が用いられ、「いくそばく」の例はない。「いくたび」から「いくそたび」「いくちたび」が生まれたように、平安時代に「いくばく」の強調形として用いられたものか。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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