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広島・女児殺害 ひろしまじょじさつがい

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知恵蔵の解説

広島・女児殺害

2005年11月22日午後3時頃、広島市安芸区の空き地で女児の遺体が入れられた段ボール箱が見つかった。女児は小学1年の7歳で、下校途中に首を絞められて殺されていた。広島県警は30日、近所に住んでいたペルー国籍の男(当時30)を殺人などの容疑で逮捕した。広島地検は男を殺人、強制わいせつ致死、死体遺棄の罪で起訴した。起訴状によると、男は11月22日午後、女児の通学路沿いにあったアパート自室か、その周辺で、女児にわいせつな行為をすると共に首を強く圧迫して殺害した。さらに遺体を段ボール箱に入れて空き地に遺棄した、とされる。06年5月の初公判で、男は「(殺す)意思を抱いたことはない」と述べ、女児を死亡させたことは認めたが、殺意やわいせつ目的を否認した。検察側の冒頭陳述によると、男は当日の午後0時50分頃、アパートの前を1人で歩いていた女児にスペイン語で「オーラ(こんにちは)」、日本語で「あなたのお名前は」と話しかけ、携帯電話の画面を見せて気を引き、自室に連れ込み、その後首を絞めて殺した。男は「悪魔に『殺せ、殺せ』と言われ、どうすることもできなかった」などと語り、弁護側は「犯行時は善悪を判断できる状態になかった」として精神鑑定裁判所に請求したが、却下された。06年7月4日、広島地裁は「児童を陵辱した挙げ句尊い命を奪った冷酷非情な犯行」として、男に無期懲役(求刑死刑)の判決を言い渡した。だが「被害者は1人で、計画性はなく、前科も立証されていない。死刑で臨むにはなお疑念が残る」と述べた。一方で「一生をもって償わせるのが相当であり、仮釈放は可能な限り慎重な運用がなされるよう希望する」との意見も付け加えた。広島地検は、この判決を「量刑不当」として広島高裁に控訴した。被告側も控訴した。この裁判は、09年までに始まる裁判員制度モデルケースと位置づけられ、事前に争点整理する公判前手続きと集中審理が実施された。初公判から2カ月足らずで判決が出るスピード審理だったが、男のペルーにおける幼女に対する性的暴行事件の有罪判決を審理中に立証できなかったなど課題も残った。

(緒方健二 朝日新聞記者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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