廃物・廃者(読み)すたりもの

精選版 日本国語大辞典 「廃物・廃者」の意味・読み・例文・類語

すたり‐もの【廃物・廃者】

〘名〙
① 以前は盛んであったのが、今は衰えてかえりみられなくなったもの。
仮名草子浮世物語(1665頃)二「今は末の世になりて、賢の道はすたりものなり」
② 役に立たないもの。価値のないもの。また、そのようなひと
咄本狂歌咄(1672)一「大酒をのむは浮世のすたりものいふもいはれずくさりなはかな」
青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏「若い娘や女学生さんで、那(あ)の為めに一生廃者(スタリモノ)になった気毒な人達が〈略〉五人や十人ぢゃ利きませんもの」
人間のくず。無頼漢などをののしっていう。
談義本当世下手談義(1752)五「父兄たる者、いましめずんば、次第に手強くなりて、終に廃(スタリ)者となるべし」

すたれ‐もの【廃物・廃者】

〘名〙
① おちぶれた人。
※延慶本平家(1309‐10)二末「我身今はすたれものなれども昔申承りし人のみこそおはすれ」
② 役に立たないもの。廃品
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉八「古き廃(スタ)れ物(モノ)を買出し来りて」
③ 役に立たない人。人間のくず。無頼漢などをいう。
※遠近草(1573‐92)「大ざけをのむはうき世のすたれものいふもいはれぬくさり名和かな」
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉八「イヤイヤ吾等事は老年の廃(スタレ)もの」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android