式(数学)(読み)しき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「式(数学)」の意味・わかりやすい解説

式(数学)
しき

(3+4)×6-4とかa+b×cのように、数や数を表す文字、すなわち変数を+、-、×、÷のような演算記号で結び付けて一つの数を表した記号の列。式の中に文字が入っている場合には、これを文字式という。また、二つの式(演算記号を含まない単一の数や文字も一つの式とみなして)を等号=や不等号>、<、≧、≦で結んだものをそれぞれ等式、不等式という。3+7=8+2は等式の、5×8-4×9>0は不等式の例である。

 式中に演算記号が二つ以上出てくる場合、その間の順序については、次のような約束が設けられている。すなわち、括弧(かっこ)があれば括弧が優先し、二重、三重に括弧があれば内側のものが優先する(括弧の規約)。加減乗除が入り交じっている場合は、乗除が優先する(乗除先行の規約)。その他の場合には、左のほうが優先する。文字式の場合には、乗法の×を省き、除法を分数形で書くことで、乗除先行の規約を見やすくしている。

島田 茂]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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