引しろう(読み)ひきしろう

精選版 日本国語大辞典 「引しろう」の意味・読み・例文・類語

ひき‐しろ・う ‥しろふ【引しろう】

〘他ハ四〙
① 互いに引きあう。引っぱりあう。引き争う。
源氏(1001‐14頃)紅葉賀「脱がじとすまふを、とかく、ひきしろふ程に、ほころびはほろほろと絶えぬ」
② 強く引く。むりに引く。
※源氏(1001‐14頃)夕霧「小さき稚児、這ひかかり、ひきしろへば」
③ ひきずる。
徒然草(1331頃)一七五「物も着あへずいだき持ち、ひきしろひて逃ぐる」
④ 引き連れる。
平家(13C前)七「大臣殿以下妻子を具せられけれ共、つぎざまの人共はさのみひきしろふに及ばねば」
⑤ 引っぱって連れまわす。引きまわす。
※金刀比羅本平治(1220頃か)中「敵にさがし出され、義朝の女(むすめ)よなど引(ヒキ)しろはれ」
⑥ ひきのばす。ひき続かせる。あとへ続かせる。
史記抄(1477)一八「禍が五世までつたわりて、ひきしろうたぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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