引張蛸・引張凧(読み)ひっぱりだこ

精選版 日本国語大辞典 「引張蛸・引張凧」の意味・読み・例文・類語

ひっぱり‐だこ【引張蛸・引張凧】

〘名〙
① (肢体をひっぱりひろげてつくる蛸の乾物にその形が似ているところから) 磔(はりつけ)の刑に処せられること。はりつけ。また、手足を広げて縛られること。
咄本・私可多咄(1671)四「其方万事がてんのいたものにて、あたまをまろめなから何とてひっはりたこにはなるぞ」
浮世草子・色道大皷(1687)五「三人の女房の敵おぼへたるかとひっはり蛸(ダコ)にして突通し捨ぬ」
② (その様子が①に似ているところから) 一つのものまたは少ないものを手に入れようとしてあちらこちらから争ってひっぱること。多くの人から求められること。
※雑俳・俳諧觿‐一六(1802)「引はり凧に風邪の流行医」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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