引被(読み)ひっかぶる

精選版 日本国語大辞典 「引被」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐かぶ・る【引被】

〘他ラ五(四)〙 (「ひきかぶる(引被)」の変化した語)
① (水、夜具、かぶりものなどを)勢いよくかぶる。頭からかぶる。ひっかむる。
史記抄(1477)一五「頭巾をひっかぶりたやうにして入」
責任などを自分で負う。引き受ける。
咄本・鹿の子餠(1772)屁「女郎ぶいとの仕ぞこない。若い者ひっかぶり、旦那御免」

ひき‐かず・く ‥かづく【引被】

[1] 〘他カ四〙 引いて頭からかぶる。ひきかぶる。ひっかぶる。ひっかずく。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「寒ゆる時に曳(ヒ)き蒙(カツク)綿の端は」
[2] 〘他カ下二〙 おおいかぶせる。ひきかぶせる。
御伽草子伊吹童子(室町末)「酔ひ臥し給へると思ひて、きぬひきかづけ置かれたり」

ひき‐かぶ・る【引被】

〘他ラ四〙
① 頭の上からおおう。勢いよくかぶる。ひきこうぶる。ひっかぶる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 引っ張る。引く。引きかかる。
浄瑠璃平仮名太平記(1701)二「阿波内侍そばに寄り、袂をそっと引かぶるを」
③ 自分の身にひきうける。ひっかぶる。「責任をひきかぶる」

ひっ‐かず・く ‥かづく【引被】

〘他カ四〙 (「ひっかつぐ」とも) 「ひきかずく(引被)」の変化した語。
※巨海代抄(1586‐99)上「あの樵夫が破笠短簑ひっかづいて孤峯岩下に皈たは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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