弖爾波・手爾波(読み)てには

精選版 日本国語大辞典 「弖爾波・手爾波」の意味・読み・例文・類語

て‐に‐は【弖爾波・手爾波】

〘名〙 (助詞「て」「に」「は」の三語を連結して、同類の語の総称としたもの)
① =てにをは(弖爾乎波)①〔名語記(1275)〕
※史記抄(1477)七「漢書のならいごとに、〈略〉てにはを入れて読処が多ぞ」
※天草本平家(1592)読誦の人に対して書す「コトバノ tenifauo(テニハヲ) ショジャ セヨト ナリ」
※評判記・色道大鏡(1678)九「傾城のかく文章に、てにはのちがふ事おほし」
道草(1915)〈夏目漱石〉一六「『ですか』とか、『ません』とかいふてにはで」
※評判記・難波鉦(1680)四「てにははあとさきしめて、はじめいひしことを後まであふやうのこと」
④ その場のぐあいや状況。ばつ
※咄本・軽口露がはなし(1691)四「われにくれると覚て、盃を下に置、手をさし出せば、その人にはやらでおのれが儘にはさみ食ふ也。かの手をさし出た人はづかしく、てにはあしくて」
雑俳の一種。「土佐てには」など。
[語誌]「てには」の名の起源は、「てにをは(弖爾乎波)」の略称とも、「てにをは」と同様ヲコト点図によるともいう。→「てにをは」の語誌・てには点(てん)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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