精選版 日本国語大辞典 「弟切草」の意味・読み・例文・類語
おとぎり‐そう ‥サウ【弟切草】
〘名〙 オトギリソウ科の多年草。各地の山野にふつうに生える。茎はまるく直立し、高さ三〇~六〇センチメートルになる。葉は対生し長卵形で先がとがり、長さ二~六センチメートル、幅七~三〇ミリメートルになり、基部は茎を抱く。夏、枝の先端部にやや密に五弁の黄色の花を生じる。花径は一・五センチメートルぐらい。花弁は倒卵形で、ともえ状にゆがんでいる。日本には、イワオトギリ、フジオトギリなど本種に似た種類が多数知られている。葉からしぼった汁は打撲傷、切り傷の薬とし、煎(せん)じた汁は止血、うがい薬とする。また、茎、葉から製するオトギニンは関節炎、神経痛などに効く。漢名、小連翹。《季・秋》 〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・毛吹草(1638)二「薬師草 弟切草共 鷹のむつけたるに用る草と云 花当月也」
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