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張る・貼る・撲る はる

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大辞林 第三版の解説

はる【張る・貼る・撲る】

( 動五[四] )
(自動詞)
物の表面などを一面におおうように広がる。 「池に氷が-・る」 「蜘蛛くもの巣が-・った廃屋」
木の根や枝が四方八方に大きく広がる。 「四方に根が-・る」
ゆるみなくひきしまる。 「凧たこの糸が-・る」
突き出したり角立ったりしていて目立つ。 「あごの-・った男」
ふくれて、はちきれそうになる。 「食べ過ぎて腹が-・る」 「乳が-・る」 「青柳の-・りて立てれば/万葉集 3443
筋肉が固くなる。凝る。 「肩が-・る」
感情のはたらきが強くなる。盛んになる。 「欲の皮が-・る」 「食い意地が-・る」
(「気が張る」の形で)精神が緊張する。 「気が-・っていたので疲れを感じなかった」
数量・程度などが普通以上に大きくなる。 「嵩かさが-・る」 「仕事ガ-・ル/ヘボン 三版
他人に負けまいとして張り合う。 「お金子かねで-・る事も出来るけれど/社会百面相 魯庵
(多く「ハル」と書く)謡うたいや浄瑠璃などの音曲で、高い声、大きな声を出す。 「『君をいはひて』『はひて』と-・るべからず/申楽談儀」
(他動詞)
布状・網状・糸状の物を、たるまないように広げて固定する。 「テントを-・る」 「テニスのネットを-・る」 「ロープを-・る」
(「貼る」とも書く)板状の物を何枚もつなぎ合わせて平面を作る。 「化粧板で天井を-・る」 「床板を-・る」
(多く「貼る」と書く)糊のりなどをつけて物を平らな面につける。 「封筒に切手を-・る」 「ポスターを-・る」 「傷口に絆創膏ばんそうこうを-・る」 「タイルを-・って壁を仕上げる」
水などを、一面に満たす。 「風呂桶おけに水を-・る」 「田んぼに水を-・る」
草木が根や枝を四方八方に大きくのばす。 「大地に根を-・る」 「四方に枝を-・る」
人が肘ひじ・肩・胸などを突き出したり広げたりして、大きく見えるようにする。 「肘を-・る」 「肩を-・って歩く」
(「胸を張る」の形で)人が自分の自信や正当性を示すために、胸を大きく反らせる。 「胸を-・って答える」
(「声を張る」の形で)高い声・大きな声を出す。張り上げる。 「声を-・って助けを求める」
大きく開く。目をはる。 「眼まなこを-・り呼吸いきを凝して/運命論者 独歩
無理をして押し通す。
強引にある態度や気持ちを押し通す。 「意地を-・る」 「強情を-・る」 「我を-・る」
ある感情を強くする。盛んにする。 「欲を-・りすぎて失敗する」
無理にうわべをかざる。 「虚勢を-・る」 「見えを-・る」
(「気を張る」の形で)気前をよくする。きばる。 「気を-・つて段々御馳走申ければ/浮世草子・禁短気」
賭ける。 「有り金全部を-・る」 「ヤマを-・る」 「相場を-・る」
(「体を張る」の形で)危険をかえりみずに事に当たる。 「おれは体を-・って生きているんだ」
ある地位・立場に身を置く。 「横綱を-・る」
相手に対抗する。
(「向こうを張る」の形で)相手の行動に対抗するような行動をとる。 「ライバル会社の向こうを-・って新型車を売り出す」
一つのものを複数の者が手に入れようとして争う。 「源三さんと同じ女子おなご-・つた時なぞ/南小泉村 青果
広げるようにして構え設ける。 「祝宴を-・る」 「論陣を-・る」 「所帯を-・る」 「つまらねえ店でも斯うして-・つてるから/真景累ヶ淵 円朝」 「宇陀の高城に鴫罠しぎわな-・る/古事記
(「勢力を張る」などの形で)ある場所において勢力をもっている。 「関八州に勢力を-・る」
人を見張る。また、人を待ちうける。 「 - ・り込む」
(「撲る」とも書く)
平手で打つ。 「横っ面つらを-・る」 「切った-・ったの大乱闘」
相撲で、張り手を使う。
将棋の駒を盤上のある箇所に置く。 「持ち駒を-・る」
奮いたたせる。 「喇叭ラツパを吹立て軍勢力を-・り/浮城物語 竜渓
[可能] はれる
[慣用] 網を- ・煙幕を- ・肩肘かたひじ- ・金かねで面つらを- ・根を- / 鈴を張ったよう
[表記] はる(張・貼)
「張る」は“覆い広げる。引きしまる。おし通す。平手で打つ”の意。平手で打つ、の意では「撲る」とも書く。「池に氷が張る」「テントを張る」「水槽に水を張る」「気が張る」「意地を張る」「欲の皮が張る」「ほっぺたを張る」  「貼る」は“糊などでくっつける。表面にはりつける”の意。「封筒に切手を貼る」「壁にポスターを貼る」

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

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