張付・貼付(読み)はりつける

精選版 日本国語大辞典 「張付・貼付」の意味・読み・例文・類語

はり‐つ・ける【張付・貼付】

〘他カ下一〙 はりつ・く 〘他カ下二〙
① 布や紙などをひろげてくっつける。
※京大本湯山聯句鈔(1504)「東海の度索山と云に大なる桃木がある、それにもはりつけてをくぞ」
罪人手足を張り広げて、釘で板に打ちつけたり、柱・十字架に縄でしばりつけたりする。磔(はりつけ)にする。
今昔(1120頃か)二九「やがて其の所に張付て射(ころ)してけり」
③ なぐりつける。たたきつける。
人情本・明烏後正夢(1821‐24)三「口数たたけば、擲(ハ)り付(ツ)けるぞ」

はり‐つ・く【張付・貼付】

[1] 〘自カ五(四)〙
① はりつけた状態になる。あるものにぴったりと付着する。ねばりつく。粘着する。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉九「尤も羽目板が打著けてあると、蝙蝠(かうもり)なぞも貼附(ハリツ)いて在(ゐ)やうわい」
目的があって、特定の人や場所から離れずにいる。
迷走地図(1982‐83)〈松本清張運転手の場合「選挙になると、その期間ほとんどそこに貼りついていた」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒はりつける(張付)

はり‐つけ【張付・貼付】

〘名〙
① 布、紙などをひろげてくっつけること。また、そのもの。
※俳諧・鷹筑波(1638)三「そこなはで幾年もてるはけならめ 世にきこえたるはり付の下手一滴〉」
② 紙または布を貼りつけた戸、または壁。
信長公記(1598)一五「東へ続ひて御座敷、幾間もこれあり。爰には御張付、惣金の上に色絵に様々かかせられ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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