往し(読み)いにし

精選版 日本国語大辞典 「往し」の意味・読み・例文・類語

いに‐し【往し】

[1] 〘連体〙 (動詞「いぬ(往)」の連用形に、過去助動詞「き」の連体形が付いて一語化したもの) 過ぎ去ったところの。さる。いんじ。さんぬる。時を表わす語を修飾する。
東関紀行(1242頃)今の浦より前島「いにし承久三年の秋のころ」
[2] 〘名〙 ((一)から転じて) 過ぎ去ってしまった時。往時。むかし。
浮世草子・新吉原常々草(1689)下「さすがいにし、ふかくなれし事なれば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android