御・大御・大(読み)おおん

精選版 日本国語大辞典 「御・大御・大」の意味・読み・例文・類語

おお‐ん おほ‥【御・大御・大】

〘接頭〙 (「おおみ(おほみ=大御)」の変化したもの。「おほむ」とも表記)
体言の上に付いて尊敬の意を表わす。
古今(905‐914)秋上・二四八・詞書「おほむものがたりのついでに」
② 下に来るべき体言が省略されて単独で名詞的に用いる。
大和(947‐957頃)四二「ゑしうといふ法師の、ある人のおほむつかうまつりけるほどに」
[語誌](1)中古、「おほみ」から「おほん」が生じ両者併用されるが、「おほみ」は和歌関係で使われることが多い。
(2)「おん」は院政期に見えはじめるので、中古の作品における「御」は「おおん」と読んでいたと思われる。院政期以降の「御」の例は、「おおん」か「おん」か決定できないが、「おおん」は同種の語である「おん」「お」「み」とくらべて、一層高い敬意を表わすのが普通。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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