御汁・御付(読み)おつけ

精選版 日本国語大辞典 「御汁・御付」の意味・読み・例文・類語

お‐つけ【御汁・御付】

〘名〙 (「お」は接頭語。「つけ」は動詞「つける(付)」の連用形の名詞化)
① (もと女房詞で、本膳で飯に並べて付ける意から) 吸い物の汁。おしる。おつゆ。〔女房躾書(室町末)〕
※仮名草子・仁勢物語(1639‐40頃)下「大原やおつけの椀に今日こそは奈良諸白(もろはく)を思ふまま飲む」
みそ汁。おみおつけ。
※歌舞伎・浮世柄比翼稲妻(鞘当)(1823)三幕「お汁(ツケ)するなら、味噌をよい程、摺り置きて」
③ 女性性器の分泌液。おつゆ。おしる。津液(しんえき)
※浮世草子・好色訓蒙図彙(1686)中「下開〈略〉汁(オツケ)おおく、ひたつく事、長柄(ながら)の橋柱はいそ也」
[補注]「和訓栞後編」では、麺(めん)類のつけ汁の意として「おつけ、俗語也。もと麺類などのつけ汁をいふ詞なるを、今は凡ての汁をいふ詞とす」という。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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