徳円(読み)とくえん

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「徳円」の解説

徳円 とくえん

785-? 平安時代前期の僧。
延暦(えんりゃく)4年生まれ。天台宗。はじめ勤操(ごんぞう)の弟子広円に,のち最澄,義真らにまなび,円澄の法をつぐ。天長2年梵釈寺(ぼんしゃくじ)十禅師,承和(じょうわ)10年(843)伝灯大法師となる。唐(とう)(中国)長安の宗穎(しゅうえい)におくった質問状と,それへの回答を「唐決」にまとめた。下総(しもうさ)猿島郡(茨城県)出身。俗姓は刑部(おさかべ)。法名ははじめ安証。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典 「徳円」の解説

徳円

没年:没年不詳(没年不詳)
生年:延暦4(785)
平安前期の天台宗の僧。下総国の人。俗姓刑部氏。10歳で出家し,勤操の弟子の広円から具足戒を受けた。のち最澄の弟子となり,天台教学を学び灌頂を受け,また義真から菩薩大戒を受け,梵釈寺の十禅師に任じられた。下野国広智から灌頂を受け,円珍に三部三昧耶の戒を授けた。承和11(844)年光定 と共に疑問10条からなる質問状を唐長安の宗頴に送り,その回答と合わせて『唐決』2巻を著した。

(本郷真紹)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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