心学(読み)しんがく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

心学(中国思想)
しんがく

人間の主体性を重んずる中国の思想。性理学、理学に対していう。心のあり方への注目は古くからみられるが、性即理を唱えて心の奥底にある天から賦与された本性をとる朱熹(しゅき)(朱子)の同時代にも、人間存在のあり方そのものに注目する心学的傾向があった。後の王守仁(しゅじん)(陽明)は心即理、致良知(ちりょうち)説を提唱して、現在の人間の心そのものが存在価値を有するから主体的実践こそが重要だとした。そして陽明学派では聖賢との合一、自らが聖賢と化した実践を尊び、人間の心の主体性に注目して情熱的な講学活動が行われた。これを心学とよぶ。彼らは朱子学に対抗して陸九淵(りくきゅうえん)(象山(しょうざん))や陳献章(ちんけんしょう)などの心学の先駆者を顕彰したから、陸王学という呼び方も生まれた。[佐野公治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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