心気・辛気(読み)しんき

精選版 日本国語大辞典 「心気・辛気」の意味・読み・例文・類語

しん‐き【心気・辛気】

〘名〙
こころ。こころもち。気持。気分。
実隆公記‐文明一六年(1484)二月一三日「肖柏申遣之処、心気労難治故障之由来申之」
※俳諧・新増犬筑波集(1643)油糟「此ほどは屏風の内の住居して 心気(しんキ)はれねば月もながめず」 〔礼記月令
② (形動) 心がくさくさして、気が重くなること。心の病にかかること。また、気がもめること。じれったいこと。また、そのさま。
蔭凉軒日録‐長享二年(1488)一〇月四日「相公邇来事外御心気、諸公事一切不聞召入。且待御心気之平愈白云々」
仮名草子浮世物語(1666頃)一「痒き所に手の届かぬ如く当るやうにしてゆきたらず、沈気(シンキ)なものにて、我ながら身も心も我が儘にならで、いな物なり」
③ (形動) 苦しくてつらいこと。また、そのさま。
浮世草子世間娘容気(1717)四「行末が案じらるると、額にしはよせ、しんきさふにいはるれば」
牛部屋の臭ひ(1916)〈正宗白鳥〉五「揺られながら船で眠るのは、漁夫稼業をしてゐても辛気なものだった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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