心肝・心胆(読み)こころぎも

精選版 日本国語大辞典 「心肝・心胆」の意味・読み・例文・類語

こころ‐ぎも【心肝・心胆】

〘名〙 (古くは「こころきも」か)
内臓としての、心と肝。転じて、心。胸中。魂。きもごころ。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「『まじらへば、心きもやすからぬ事』とこそは泣き給ふなれ」
思慮。考え。
落窪(10C後)二「心きもなく相思ひ奉らざりし物を、強ひてつかひ給ひてと、三の宮をいみじく宣ふ」
[補注]「心肝砕けて」〔今昔‐一〇〕のように「心砕けて」と「肝砕けて」を併せたと思われる例や、「心騒ぎ肝迷て、泣々悔ひ悲む事无限し」〔今昔‐九〕のように対句的に用いられる例があること、これらと同様の表現が、語構成が逆の「きもごころ」にも見られることなどから、「こころ」と「きも」との並列名詞と考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android