イギリスの劇作家ジョン・オズボーンの戯曲。1956年5月、イギリス舞台協会によりロンドンのロイヤル・コート劇場で初演。初めは静かな滑り出しであったが、ほどなく爆発的人気をよぶようになり、18週間のロングランを続け、新進劇作家輩出の呼び水の、さらには「怒れる若者たち(アングリー・ヤングメン)」とよばれる文化現象の口火を切る役割を果たすことになった。男女の三角関係を扱った3幕のリアリズム演劇という従来の型どおりの枠組みのなかで、主人公のジミー・ポーターがまったく新しい戦後世代のタイプの登場人物として型破りで新鮮な魅力をもったのである。三流大学を出て田舎(いなか)町で屋台の菓子屋をやり、イギリスの過去の栄光を羨望(せんぼう)しまた非難し、拠(よ)るべきまた倒すべき大義のない現代を呪(のろ)い、自分や妻を愛しまた憎み、さまざまな矛盾に苦悩するジミーの饒舌(じょうぜつ)は、当時の鬱積(うっせき)した社会的感情のいわばはけ口であった。日本でも1959年(昭和34)5月、文学座アトリエ公開公演として初演。
[中野里皓史]
『青木範夫訳『世界文学大系 95 怒りをこめてふりかえれ』(1965・筑摩書房)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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