思残(読み)おもいのこす

精選版 日本国語大辞典 「思残」の意味・読み・例文・類語

おもい‐のこ・す おもひ‥【思残】

〘他サ五(四)〙
物思いをし尽くさないで残す。物思いをすべて味わい尽くさずに残している。
蜻蛉(974頃)中「なにごとにつけても、おもひのこさざりけんかし」
② 不満足のままに物事を終え、その事を気にする。し残して残念に思う。未練を残す。
平家(13C前)七「うき世におもひのこす事とては、ただ君の御名残ばかり也」

おぼし‐のこ・す【思残】

〘他サ四〙 (「おもいのこす(思残)」の尊敬語) 不満足のまま物事を終えて、それを気になさる。し残して残念にお思いになる。
源氏(1001‐14頃)橋姫何事をおぼしのこすらむ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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