急立(読み)せきたつ

精選版 日本国語大辞典 「急立」の意味・読み・例文・類語

せき‐た・つ【急立】

[1] 〘自タ四〙
① いそぐ。あせっていらだつ。はやる。
浄瑠璃井筒業平河内通(1720)四「せき立足は地につかず、空をもかける伊駒の姫」
② 怒りでかっとのぼせあがる。
※浄瑠璃・女殺油地獄(1721)上「聞よりせき立七左衛門、顔色変り眼もすわり、門口に立はだかり」
[2] 〘他タ下二〙 ⇒せきたてる(急立)

いそぎ‐た・つ【急立】

[1] 〘他タ四〙 さかんに準備する。支度にとりかかる。
源氏(1001‐14頃)藤裏葉「人の装束(さうぞく)なにかのことも、〈略〉いそぎたつ」
[2] 〘自タ四〙 急いで出かける。
蜻蛉(974頃)中「御嶽にとて、いそぎたつ」

せき‐た・てる【急立】

〘他タ下一〙 せきた・つ 〘他タ下二〙 ある動作をすぐさまするように促す。
人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)三「サアサア行ふ行ふ、とせき立(タテ)れば」

いそがし‐た・つ【急立】

〘他タ下二〙 せき立てる。急がせる。
※源氏(1001‐14頃)澪標「よろしき日なりければ、いそがしたて給ひて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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