悪名(読み)あくみょう

精選版 日本国語大辞典 「悪名」の意味・読み・例文・類語

あく‐みょう ‥ミャウ【悪名】

〘名〙
① 悪いうわさ・評判悪評。あくめい。
将門記(940頃か)「前生の貧しき報いを憂へず。但し悪名の後に流(つたは)るを吟(によ)ぶ」
日葡辞書(1603‐04)「Acumiǒuo(アクミャウヲ) タツル」 〔春秋左伝‐文公一八年〕
悪事を働いた者。また、その悪事。あくめい。
金沢文庫古文書‐嘉暦四年(1329)六月一四日・加賀国軽海郷公文百姓等起請文(七・五三六八)「ぬす人かうたうの悪名候はは」

あく‐めい【悪名】

〘名〙 (古くは、多く「あくみょう」)
野分(1907)〈夏目漱石〉八「結果は悪名(アクメイ)にならうと〈略〉仕方がない」
梅津政景日記‐慶長一七年(1612)三月二五日「右之あくめい闕所之道具、見出し候山廻にほうびに出し申候」

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デジタル大辞泉 「悪名」の意味・読み・例文・類語

あく‐めい【悪名】

悪い評判。よからぬうわさ。あくみょう。「悪名が高い」
[類語]汚名悪声札付き面汚しさら汚点名折れ醜名醜聞不名誉不面目悪評不評曰く付き訳有り虚名

あくみょう【悪名】[書名]

今東光小説。昭和35年(1960)から昭和36年(1961)「週刊朝日」誌に連載河内生まれの若者主人公とする任侠にんきょうもの。昭和36年(1961)、勝新太郎田宮二郎共演により映画化され、以後シリーズ化。

あく‐みょう〔‐ミヤウ〕【悪名】

あくめい(悪名)」に同じ。
悪事を働いた者。また、その悪事。
「是も新九郎―にまぎれなく」〈浮・武家義理・六〉
[補説]書名別項。→悪名

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普及版 字通 「悪名」の読み・字形・画数・意味

【悪名】あくめい

わるい評判。〔左伝、襄二十七年〕曰く、~吾(われ)、之れと言ふ。事未だ知るべからず。(た)だ惡名をさんのみ。止めよと。

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