情報技術協定(読み)ジョウホウギジュツキョウテイ(英語表記)Information Technology Agreement

デジタル大辞泉 「情報技術協定」の意味・読み・例文・類語

じょうほうぎじゅつ‐きょうてい〔ジヤウホウギジユツケフテイ〕【情報技術協定】

《「IT製品の関税撤廃を定めた情報技術協定」の略称コンピューター半導体通信機器などIT製品の関税撤廃を定めた多国間協定。1996年のWTO閣僚会議合意ITA(Information Technology Agreement)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「情報技術協定」の意味・わかりやすい解説

情報技術協定
じょうほうぎじゅつきょうてい
Information Technology Agreement

コンピュータ、デジタル機器、半導体などの情報技術(IT)関連製品の関税撤廃を定めた多国間協定。世界貿易機関(WTO)協定の一つで、1997年に発効した。正式名称は「情報技術製品の貿易に関する閣僚宣言」で、英語名を略してITAとよばれることもある。世界規模でIT分野の貿易自由化を促進し、関連製品の低価格化や社会インフラの整備を通じて、消費者の利便性向上や雇用機会の創出を目的とした協定である。対象品目はデジタル機器、ナビゲーションシステムタッチスクリーン、ビデオゲーム機、医療機器、半導体製造装置など201品目で、2024年までに全品目の関税を撤廃する。またIT分野の非関税障壁について協議することも定めている。同協定参加国は、2015年末時点で、日本、アメリカヨーロッパ連合EU)、中国、ロシア、インド、韓国台湾など82か国・地域

 日本、アメリカ、EUなど29か国・地域は1996年、コンピュータ、電話、ファクシミリ、記憶媒体ディスクなどIT関連製品(144品目)の関税を撤廃するITAに合意。翌1997年に発効し、2000年までに関税を撤廃した。その後、新たなデジタル製品が相次いで開発されながら、対象は157品目までしか増えなかった。このため協定参加国のうち日本、アメリカ、EU、中国、韓国、台湾などの53か国・地域は2012年から対象品目を拡大する交渉を進め、2015年末に合意した。拡大協定の発効は2016年7月で、発効から3年以内に89%の品目(輸入額では95%以上)の関税を撤廃する。拡大した対象品目の年間貿易額は1兆3000億ドルに達し、これは全世界の貿易額の10%に相当する。

[矢野 武 2016年7月19日]

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百科事典マイペディア 「情報技術協定」の意味・わかりやすい解説

情報技術協定【じょうほうぎじゅつきょうてい】

通称ITA(Information Technology Agreementの略)。コンピューターや半導体などの情報関連機器,部品の関税を原則2000年までに撤廃することを決めた多国間協定。1996年12月世界貿易機関(WTO)閣僚会議で基本合意し,日本,米国,EU(ヨーロッパ連合)各国,カナダ,韓国など43ヵ国・地域が参加して,1997年7月1日に発効,関税引下げが開始されている。対象品目はプリンターやスキャナー,ファックス,モデム,半導体など約200品目。今後はデジタルカメラなど情報家電製品の追加を検討するほか,中国やメキシコなどの国々にも参加を呼びかける。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「情報技術協定」の意味・わかりやすい解説

情報技術協定
じょうほうぎじゅつきょうてい
Information Technology Agreement; ITA

コンピュータや半導体など情報関連機器・部品約 200品目の関税を 2000年までに撤廃しようという協定。 1996年 12月の世界貿易機関 WTO閣僚会議で基本合意した。 43ヵ国・地域が参加し,97年から段階的な引下げが始った。発展途上国に対しては品目によって 2005年までの猶予期間を設けた。

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