日本大百科全書(ニッポニカ) 「惑星(ホルストの組曲)」の意味・わかりやすい解説
惑星(ホルストの組曲)
わくせい
The Planets
イギリスの作曲家ホルストが1916年に完成した管弦楽のための組曲(作品32)。「火星―戦争の神」「金星―平和の神」「水星―翼のある使いの神」「木星―快楽の神」「土星―老年の神」「天王星―魔術の神」「海王星―神秘の神」の7曲からなり、地球を除く太陽系惑星のすべてが、ローマ神話にちなんだサブ・タイトルを伴って配されている。宇宙時代の到来を予見しているかのような題材ではあるが、当時占星術に関心を抱いていたホルストが、占星術で説かれている各惑星の性格を音で描こうと試みたとみるべきであろう。管弦楽はオルガンを含む大規模なもので、その色彩的効果には圧倒的なものがあり、終曲では女声合唱も加えられている。1920年に全曲の初演がロンドンで行われた。
[三宅幸夫]