精選版 日本国語大辞典 「惚惚」の意味・読み・例文・類語
ほれ‐ぼれ【惚惚】
〘副〙 (「ほれほれ」とも。多く「と」を伴って用いる)
① 思考力を失うなど、放心したさまを表わす語。ぼんやり。
※夜の寝覚(1045‐68頃)四「心地もほれほれとして」
② 何かに心を奪われて、うっとりとするさまを表わす語。
③ 深く心を引かれるようなさま、恋い慕いたくなるようなさまを表わす語。
※御伽草子・秋の夜の長物語(南北朝)「ほれほれとみかへりたる目つきかほばせ」
ほけほけ‐し【惚惚】
〘形シク〙 (「ほけぼけし」とも)
① ひどくぼけている。老いてもうろくしている。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「様ざまにいにしへのあはれなる事も、いささかほけほけしからず仰せらる」
② 心をうばわれてぼんやりしている。ひどくぼうっとしている。
ほけほけし‐さ
〘名〙
ほけ‐ほけ【惚惚】
〘副〙 (多く「と」を伴って用いる。「ぼけぼけ」とも)
① ひどくぼんやりしたさま。また、魂をうばわれぼうっとしたさま。
※とりかへばや(12C後)下「おもひわび、心ちもほけほけとして」
② ひどくぼけたさま。老いてもうろくしたさま。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
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