愛・愍(読み)めぐし

精選版 日本国語大辞典 「愛・愍」の意味・読み・例文・類語

めぐ・し【愛・愍】

〘形ク〙
① 見るにたえない。気がかりである。いたわしい。
万葉(8C後)一一・二五六〇「人も無き古りにし里にある人を愍久(めぐク)や君が恋に死なせむ」
② いとおしい。かわいい。かわいらしい。
※万葉(8C後)五・八〇〇「父母を 見れば尊し 妻子(めこ)見れば 米具之(メグシ)(うつく)し」
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇「我が小子の偏に鍾りて愛(メグク)いまししは、已に無常の羅刹の為に呑まれたまひにけり」
※水戸本乙日本紀私記(1678)神代下「特鍾憐愛 女久之(メクシ)止於毛不美己々呂乎安津女天」
[補注]語源には諸説あるが、「め」(目)と「心ぐし」の「ぐし」(苦しい)から成り、目に見て苦しい、気掛かりであるが本義であり、ここから胸が痛むほどかわいい、いとしいの意も派生したと思われる。
めぐ‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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