普及版 字通 「慮(漢字)」の読み・字形・画数・意味
慮
常用漢字 15画
[字訓] おもんぱかる・うれえる・こころ
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は(りよ)。〔説文〕十下に「謀思するなり」とあり、謀三上には「を慮(おもんぱか)るを謀と曰ふ」とする。字を虍(こ)声とするが、盧(ろ)・(虜)(りよ)などと同声。〔詩、小雅、雨無正〕に「慮ること弗(な)く圖ること弗し」とあり、金文の〔中山王方鼎〕に慮をに作る。・呂同声であることが知られる。漢碑には字を慮に作っている。
[訓義]
1. おもんぱかる、かんがえる、はかる。
2. たくらむ、くわだてる。
3. うれえる、おそれる、うたがう、いましめる。
4. こころ、おもい、はからい、きづかう。
5. おおよそ、おおむね、すべて。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕慮 ハカル・オモハカリ・オモハカル・オモフ・シル・ヒロシ・ウラオモフ 〔字鏡〕慮 オボスコト・ウラモフ・オモフ・ヲソル
[声系]
〔説文〕に慮声として鑢など二字を収める。鑢十四上は「銅鐡を(みが)くなり」(段注本)とあり、磨を加える意。濾がよく水を濾過(ろか)して清澄を得る意と同じである。
[語系]
慮・鑢・濾liaは同声。金質のものを磨くを鑢、水を濾過するを濾という。よく謀思することを慮という。漉lok、瀝lyekは水を濾(こ)して澄ますことをいい、関連のある語であろう。
[熟語]
慮遠▶・慮懐▶・慮外▶・慮患▶・慮計▶・慮後▶・慮猜▶・慮私▶・慮思▶・慮事▶・慮周▶・慮念▶・慮表▶・慮無▶・慮免▶
[下接語]
叡慮・淵慮・遠慮・過慮・寡慮・雅慮・危慮・規慮・幾慮・苦慮・愚慮・計慮・賢慮・顧慮・考慮・策慮・至慮・志慮・思慮・識慮・衆慮・熟慮・焦慮・憔慮・心慮・神慮・宸慮・深慮・慎慮・塵慮・聖慮・精慮・静慮・積慮・千慮・浅慮・前慮・俗慮・他慮・多慮・大慮・短慮・知慮・智慮・長慮・独慮・念慮・配慮・煩慮・繁慮・万慮・百慮・不慮・浮慮・防慮・謀慮・亡慮・妙慮・無慮・冥慮・雄慮・憂慮
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報