(読み)かい

精選版 日本国語大辞典 「戒」の意味・読み・例文・類語

かい【戒】

〘名〙
① いましめること。いましめ。訓戒。〔呉子‐論将〕
② (sīla の訳) 仏語。三学の一つ。心身のあやまちを防止すること。そのあやまちを防止するための規則としては、在家出家に対して、五戒十戒具足戒など、種々のものがあり、また、僧俗共通の大乗菩薩戒などがある。いむこと。〔勝鬘経義疏(611)〕
漢文一体。人をいましめるのを目的とし、漢の杜篤の「女戒」に始まるとされる。〔文体明弁‐戒〕

いまし・む【戒】

〘他マ下二〙 ⇒いましめる(戒)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「戒」の意味・読み・例文・類語

かい【戒】[漢字項目]

常用漢字] [音]カイ(漢) [訓]いましめる
よくない事態に備えて気を引き締める。「戒厳戒心警戒厳戒哨戒しょうかい
(「」と通用)過ちのないように注意を与える。いましめ。「戒告教戒訓戒自戒懲戒
仏道を修める者の守るべきおきて。「戒律戒定慧かいじょうえ五戒斎戒持戒十戒受戒破戒殺生せっしょう

かい【戒】

いましめ。さとし。「を破る」
《〈梵〉śīlaの訳。習慣性格などの意》仏語。在家や出家が過ちを防止するために守らなければならない禁制。また、その個々の条目。「五」「学」
漢文の文体の一。訓戒を目的としたもの。
[類語]戒める戒告訓戒諭旨教戒勧戒

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「戒」の意味・わかりやすい解説

戒【かい】

戒律

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「戒」の意味・わかりやすい解説


かい

戒律

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「戒」の意味・わかりやすい解説


かい

戒律」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【戒律】より

…教団内部の諚として,一般法や道徳律に先んじて,教団構成員を拘束し,救済の基本条件となる。原始仏教では,戒(シーラśīla)と律(ビナヤvinaya)を分けるのが普通で,律は教団の規則を意味し,男僧250条,尼僧348条の禁制条項を指す。仏滅後の教団で,経典とは別の律蔵として,成文化された。…

【仏教】より

…(4)道諦(どうたい) この,苦の滅を達成するために実践すべき正しい道で,8項ある(八正道(はつしようどう))。すなわち,(a)正しい物の見方(正見),(b)正しい心のもち方(正思),(c)正しい言葉遣い(正語),(d)正しい行動――不殺生,不偸盗などの戒を守る(正業),(e)正しい生活(正命),(f)正しい努力精進(正精進),(g)正しく教えを憶念する(正念),(h)正しい禅定の修習(正定)。 以上の四諦は苦因→苦,道の実践による苦因の滅→苦の滅という2種の互いに相反する方向の因果関係を含む。…

※「戒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android