20世紀日本人名事典 「戸張 孤雁」の解説
戸張 孤雁
トバリ コガン
- 生年
- 明治15(1882)年2月19日
- 没年
- 昭和2(1927)年12月9日
- 出生地
- 東京府日本橋区本小田原町(現・東京都中央区)
- 本名
- 戸張 亀吉
- 旧姓(旧名)
- 志村
- 経歴
- 明治31年日銀に給仕として就職し、翌年片山潜の塾で英語を学ぶ。34年洋画研究のため渡米し、ニューヨークで海洋画家リチャースの下男をしながら、油絵と挿絵を勉強。荻原守衛を知ったが、肺結核となり39年帰国。木下尚江「乞食」や徳冨蘆花「不如帰」の小説の挿絵を描き、40年「孤雁挿画集」を出版。のち洋風挿絵研究会を起こしたが、荻原の影響で43年太平洋画会研究所彫塑部に入り、同年第4回文展に彫刻「をなご」を初出品。大正6年には院展彫刻部同人となった。またこれと前後して、2年石井柏亭らと日本水彩画会、7年には山本鼎、織田一磨らと日本創作版画協会を創設している。彫刻作品に「曇り」「足芸」「虚無」「煌めく嫉妬」、木版画に「玉乗り」など。著作に「創作版画と版画のつくり方」「孤雁遺集」がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報