手使・手遣(読み)てづかい

精選版 日本国語大辞典 「手使・手遣」の意味・読み・例文・類語

て‐づかい ‥づかひ【手使・手遣】

〘名〙
① 手のつかいかた。手のはこびかた。手指の動かしかた。手さばき。特に、楽器を演奏する際の手のつかいかた。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「おなじくかいひきたまふさまのてづかひなむ、かなしくめでたかりける」
※糸竹口伝(1327)「調子よきかあしきか試のぼる手づかひを上掻合とは云也」
② 人形芝居で、糸あやつりに対し、人形遣いが手で直接人形をあやつること。また、その人形。
③ (━する) 手の者をつかわすこと。配下の者をつかわすこと。また、実力行使すること。手出しをすること。
※政基公旅引付‐文亀元年(1501)六月一二日「西方に所入部守護使此方手仕を聞て今日不乱入」
※三河物語(1626頃)二「岡崎も方々え御手づかいを被成けり」
※評判記・野郎立役舞台大鏡(1687)坂田藤十郎「それゆへ来年はしばいをやすみまするとてづかい口上いわせたわたかげそ大きなる手がらなり」
⑤ 城や家の設計。また、間取り。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※落語・錦の犢鼻褌(1897)〈四代目橘家円蔵〉「明日の朝早く持って来てお呉れんと此方が手遣(テヅカイ)だから、明日の朝迄に明くのなれば貸して上げ様が」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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