手斧・釿(読み)ておの

精選版 日本国語大辞典 「手斧・釿」の意味・読み・例文・類語

て‐おの ‥をの【手斧・釿】

〘名〙
大工道具一つ。斧でざっとけずった木材を、さらに平らにするために用いる鍬(くわ)形の刃物。刃を内に向けて用いる。ちょうな。
万葉(8C後)七・一四〇三「み幣(ぬさ)取り 神の祝(はふり)が いはふ杉原 薪伐り 殆(ほとほと)しくに 手斧(てをの)取らえぬ」
※大鏡(12C前)二「よの中にてをののおとする所は、東大寺とこの宮とこそはべるなれ」
相撲決まり手の一つ。相手の手をひっぱりこみ関節をきめること。
※大石寺本曾我物語(南北朝頃)一「手斧掛入蹴爪〈略〉すまひの手は数を尽し」

ちょうな てうな【手斧・釿】

〘名〙 (「ておの」の変化した語) 大工道具の一つ。斧でざっとけずった材木を、さらに平らにするために用いる鍬(くわ)形の刃物。ちょうの。ちょんの。
※俳諧・つばさ(1706)下「つなげる舟に有明の月〈芦文〉 秋の風橋杭つくる手斧屑〈荷兮〉」
※歌舞伎・歳市廓討入(1863)「手斧(テウナ)でなぐり掛け」

ちょうの てうの【手斧・釿】

〘名〙 (「ておの」の変化した語) =ちょうな(手斧)色葉字類抄(1177‐81)〕

ちょんの【手斧・釿】

〘名〙 =ちょうな(手斧)〔かた言(1650)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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