打交・打混(読み)うちまぜ

精選版 日本国語大辞典 「打交・打混」の意味・読み・例文・類語

うち‐まぜ【打交・打混】

〘名〙
① (形動) いろいろなものが混じりあっていること、混ぜ合わせること。また、そのさま。うちごみ。混合
浄瑠璃曾我会稽山(1718)三「打ちまぜの狩には鹿論(ししろん)もことやかましと」
※生(1908)〈田山花袋〉四「煙草盆火鉢とが打交ぜに置いてある」
② 江戸時代、定火消(じょうびけ)しが出動の際に火の見やぐらで打つ合図の一つで、鐘と太鼓を交互に打ち、内郭(うちぐるわ)付近の出火に使用した。
※禁令考‐前集・第三・巻二九・享保六年(1721)八月一九日「火消方之覚 一、向後〈略〉鉦太鼓打交、并出太鼓、知せ太鼓三色に仕」

うち‐まじ・る【打交・打混】

〘自ラ五(四)〙 (「うち」は接頭語)
① ある物の中に他の物がはいる。まじり合う。まざっている。
蜻蛉(974頃)下「そば紅葉のうちまじりたる枝につけて」
※幼学読本(1887)〈西邨貞〉一「をとこもをんなもうち交って田に出てゐる」
仲間にはいる。交際する。交わる。
源氏(1001‐14頃)若菜上「心ちゆきげにとどこほりなかるべきにしうちまじれば」

うち‐ま・ぜる【打交・打混】

〘他ザ下一〙 うちま・ず 〘他ザ下二〙 (「うち」は接頭語) いろいろなものを混ぜ合わせる。混合する。交じえる。
※源氏(1001‐14頃)乙女「なでしこ、さうび、くだになどやうの花くさぐさを植ゑて春秋の木草その中にうちまぜたり」
田舎教師(1909)〈田山花袋〉二〇「男生徒女生徒打混(ウチマ)ぜて三十名ばかり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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