精選版 日本国語大辞典 「打壊・打毀」の意味・読み・例文・類語
うち‐こわ・す ‥こはす【打壊・打毀】
〘他サ五(四)〙
① 力を加えて物を砕いたり、破ったりしてだめにする。物をたたき壊す。破壊する。
※西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一三「丼(どんぶり)を二つうち毀(コハ)したのまで知って居るが」
② (「うち」は接頭語) できあがっている状態の物事や、まとまりかけていた物事をだめにする。
※うもれ木(1892)〈樋口一葉〉七「何ごとの璺(ひび)いりたるか、談合する友は少なく、打(ウチ)こわす仇は多き世の中」
うち‐こわし ‥こはし【打壊・打毀】
〘名〙
① うちこわすこと。
ぶち‐こわし ‥こはし【打壊・打毀】
〘名〙
① 打ったりたたいたりして物をこわすこと。
② でき上がったり、整ったりしている状態などをだめにすること。
※別れた妻に送る手紙(1910)〈近松秋江〉「あの手紙を書いた長田の心持は、忌々しさに、打壊(ブチコハ)しをやるに違ひない」
ぶっ‐こわし ‥こはし【打壊・打毀】
〘名〙
① 「ぶちこわし(打壊)」の変化した語。
※弘法大師について(1934)〈菊池寛〉「即身成仏の場面などは解釈の仕様がない。下手に解釈すれば、ぶっこはしである」
② 打壊(うちこわし)②を俗にいう。
※里芋の芽と不動の目(1910)〈森鴎外〉「打毀(ブッコハシ)といふ奴が来やがった」
ぶち‐こわ・れる ‥こはれる【打壊・打毀】
〘自ラ下一〙 (「ぶち」は接頭語) 物がめちゃめちゃにこわれる。すっかりこわれる。だいなしになる。
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉九「社会はたちまち滅裂(ブチコワ)れて、世は蒙昧のむかしに退歩らん」
ぶっ‐こわ・す ‥こはす【打壊・打毀】
〘他サ五(四)〙 「ぶちこわす(打壊)」の変化した語。
※談義本・根無草(1763‐69)後「堺町をぶっこはし、玉をこっちへ引さらはんと」
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