打明・打開(読み)うちあける

精選版 日本国語大辞典 「打明・打開」の意味・読み・例文・類語

うち‐あ・ける【打明・打開】

[1] 〘他カ下一〙 うちあ・く 〘他カ下二〙 (「うち」は接頭語)
① 閉じてあるものを開く。あける。
平家(13C前)八「人の倉をうちあけて」
② 中のものを出して空にする。容器にはいっているもの、または持っているものを全部出す。
※虎明本狂言・煎物(室町末‐近世初)「水をうちあくるまねする」
③ 家を留守にして外出する。
※浄瑠璃・心中二つ腹帯(1722)三「市の側(かは)から打ちあけて、参る程にける程に」
④ 心のうちなどを包み隠さないで話す。隠すところなくすっかり語る。
浮世草子好色敗毒散(1703)五「打明けたる女の底に俄に隔てを入れらるる事、縁の切れ時か」
[2] 〘自カ下一〙 うちあ・く 〘自カ下二〙 (「うち」は接頭語)
① (中のものがすっかりなくなる意から) ずっと寂しくなる。衰える。
※浄瑠璃・卯月の潤色(1707頃)中「さて石山のはんじゃう京大坂がうちあける」
② (夜が)明ける。
※俳諧・炭俵(1694)下「入月に夜はほんのりと打明て〈利牛〉 塀の外まで桐のひろがる〈桃隣〉」

ぶち‐あ・ける【打明・打開】

〘他カ下一〙 (「ぶち」は接頭語)
① 中のものをすっかり外へほうり出す。容器をからにしてしまう。
※浄瑠璃・義経千本桜(1747)一「此荷底に挟れたは女の着る物〈略〉。ぶち明けて詮議せん」
② 隠さないですっかり話す。うちあける。
滑稽本・続膝栗毛(1810‐22)一一「にしゃア心安いからぶちあけていってもえいが」
③ 穴などを勢いよくあける。勢いよくひらく。
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉八「その後頭の左寄りの処に〈略〉穴を『ブチ開け』てやりたい」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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