打紛(読み)うちまぎる

精選版 日本国語大辞典 「打紛」の意味・読み・例文・類語

うち‐まぎ・る【打紛】

〘自ラ下二〙 (「うち」は接頭語)
① 他のものにふと交じってわからなくなる。見分けにくくなる。目立たなくなる。
源氏(1001‐14頃)総角「この人の御さまのなのめにうちまぎれたるほどならば、かく見馴れぬる年頃のしるしに、うちゆるぶ心もありぬべきを」
② 他のことに気を取られて気がまぎれる。不愉快な気持がおさまる。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「ほどへば、少しうちまぎるることもやと待ちすぐす月日にそへて」
③ 忙しさなどで、他のことを顧みられなくなる。
平家(13C前)六「大小事怱劇(そうげき)にうちまぎれて、其後沙汰もなかりけり」
仮名草子竹斎(1621‐23)上「世渡るわざにうちまぎれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android