抄・鈔(読み)しょう

精選版 日本国語大辞典 「抄・鈔」の意味・読み・例文・類語

しょう セウ【抄・鈔】

〘名〙
① 多くのなかから少しばかり書き写すこと。または、そのもの。抜き書き。
古来風体抄(1197)上「拾遺抄ぞ抄なれば、十巻に抄せるを」 〔南史‐王僧孺伝〕
② むずかしい語句を抜き出して注釈すること。また、その注釈書。抄物
※車屋本謡曲・東岸居士(1423頃)「しゃうに又まうさく」
※中華若木詩抄(1520頃)下「詩の抄なんどに影略互見すると云へる、此心ぞ」
③ (鈔) 金札、銀札、銭札などの紙幣をいう。
随筆・折たく柴の記(1716頃)下「金と鈔と銭とをもて、雑(まじへ)用ゆべき由を定められ」
尺貫法で、容積の単位。勺(しゃく)の一〇分の一。合(ごう)の一〇〇分の一。約〇・〇〇一八リットル。〔書言字考節用集(1717)〕 〔孫子算経‐上〕

しょう‐・する セウ‥【抄・鈔】

〘他サ変〙 せう・す 〘他サ変〙
① 書き写す。書写する。
② 抜き書きする。また、抜き書きして編集する。
大鏡(12C前)六「延喜御時に古今抄せられしをり」
③ ある部分を書き抜いて注釈する。
史記抄(1477)一七「いつもまぎるる事ぢゃほどに、注にあれども、抄するぞ」
④ 紙などを漉(す)く。
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四「紙を抄するには、清水を要す」

しょう‐・す セウ‥【抄・鈔】

〘他サ変〙 ⇒しょうする(抄)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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